2021/07/04

Dell PowerSwitch S5212F-ONの再インストール手順

あらまし

S5212F-ONの証明書切れで通信断が発生する不具合があるバージョンが現環境が動作していたので、アップグレードした。
アップグレード自体は問題なく完了したが、スタンバイの起動環境もアップグレードしようとしたところ失敗して、起動できなくなった。

前提条件
・PowerSwitchシリーズの保守を受けていること
 ※保守を受けていないとOS10のイメージを入手できない
・OS10のイメージファイルがあること
・miniUSB or RJ-45のシリアルケーブルがあること

概要手順
A.OS10のイメージを準備する
B.TFTPサーバ準備
C.シリアル接続準備
D.S5212F-ONを再起動
E.OS10再インストール

詳細手順
A.Dell PowerSwitchシリーズは、OSイメージをDell Digital Lockerから入手する必要があります。
Dell Digital LockerはDellから購入したDell自体のソフトウェアやMicrosoft、VMwareなどのソフトウェアを管理するサポートツールサイトです。
以下のサイトからソフトウェアをダウンロードします。
https://www.dell.com/support/software/jp/ja/jpdhs1
※アカウントがない場合は、任意のメールアドレスからアカウントを作成します。
購入した製品の紐づけはDellの営業が自動的に割り当ててくれるはずですが、
そうでない場合は、Dellの営業に相談し、アカウントに紐づけの依頼をする必要が
あります。

B.TFTPサーバの準備
OSイメージを再インストールするコマンド「onie-nos-install」のファイル転送タイプは、http、ftp、TFTPが対応しています。
準備が簡単なため、この手順では、TFTPサーバを前提とします。
どのTFTPサーバでないといけないという仕様制限は特にありません。
この手順では、Windows10でtftpd64というTFTPサーバソフトを使って、
OSイメージを利用します。

 01.tftpd64のインストーラーを以下のURLからTftpd64-4.64-setup.exeをダウンロードします。
 https://bitbucket.org/phjounin/tftpd64/downloads/
 02.インストーラーをダウンロードしたら、ウィザードに従って、インストールします。
 03.tftp64を起動します。
 スタートメニューから、tftp64を選択して起動します。
 04.Tftp64を起動すると、Tftp64の画面が表示されます。
 05.Current DirectoryにOS10のイメージを配置したディレクトリを
 Browseボタンから選択します。
 06.必要があれば、Server interfacesから、Tftpサーバとしてアクセスさせたい、
 IPアドレスのあるネットワークを選択します。

C.シリアル接続準備
 S5212F-ONのOS再インストールする際には、シリアル接続が必須です。
 SSH接続の場合は、OSが起動してからの接続になります。
 OSが起動する前のシリアル接続時にGRUBで、起動する環境を選択する必要があります。

 01.任意のターミナルソフトで接続するための設定を行います。
 ボーレート: 115,200 bps  
 データ: 8 bit  
 パリティ: なし
 02.任意のターミナルソフトで接続します。

D.S5212F-ONを再起動
  再起動時に、GRUBで起動環境を選択するため、ターミナルソフトで、
  シリアル接続したまま、S5212F-ONを再起動させます。

  01.再起動させます。
 いくつかの方法がありますが、今回は、reloadコマンドで再起動させます。
 #reload 
 Proceed to reboot the system? [confirm yes/no]:yes
 Session terminated for user admin on line vty 0 

E.OS10再インストール
 01.再起動後、の起動シーケンスで、"Press Esc to stop autoboot"と表示されたら、
 ESCキーを押します。
 02.GRUBのメニューが表示されるので、「ONIE 」を選択し、Enterキーを押下します。
 03.ONIEの各選択メニューが表示されるので、「ONIE: Install OS」を選択し、
 Enterキーを押下します。
 04.「onie-discovery-stop」コマンドで自動処理を停止しないと、自動でイメージを
 取得しようとするので、無効化します。
 #onie-discovery-stop
 05.IPアドレスを設定します。
 管理ポートにIPアドレスを設定します。
 #ifconfig eth0 XXX.XXX.XXX.XXX netmask YYY.YYY.YYY.YYY
 06.設定したIPアドレスを確認します。
 #ifconfig 
 07.ゲートウェイの設定します。
 #route add default gw ZZZ.ZZZ.ZZZ.ZZZ
 08.ゲートウェイの確認します。
 #route -n
 09.OS10のイメージを再インストールします。
 再インストールに成功すると、再起動されます。
 #onie-nos-install tftp://AAA.AAA.AAA.AAA/PKGS_OS10-Enterprise- 10.5.2.3.316stretch-installer-x86_64.bin
 10.再起動後に、バージョンの確認を行います。
 再起動後のバージョンがインストールしたバージョンと一致すれば、成功です。
 #show version

PowerSwitch初期設定

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