2019/01/29

NASの検討概要

■NAS(Network-Attached Storage)とは
LANを介して複数端末でファイルを共有するための機器。
ファイルサーバと基本的には同じものではあるが、ファイルサーバの機能に特化する事で
高速かつ導入・管理が容易であるというメリットがある。
NASなどのデータを保存するような機器のことをストレージという。

■USBの外付けHDDとの違い
ごく一部のの例外を除いて、外付けHDDはディスク一本に対し、NASは複数本搭載できる。
NASはUSBで接続したPC以外にもファイルの読み書きが可能である。

■NASのメリット・デメリット
NASを導入するメリット
・ファイルを集約することで、ファイルが散在しないですむ。
・データを共有しやすい。
・複数の端末を利用する際に、各端末のディスク容量を効率化しやすい。
・各端末がクラッシュしても、NASにデータを保存していれば影響はない。
・各端末に高速なストレージを構成しないでも済む。
・NASの機能で自動バックアップすることができる。

NASを導入するデメリット
・ファイルを集約するため、トラブルが発生すると影響が大きくなる。
 >RAIDや筐体ミラーなどの冗長化の機能で対策可能
・初期導入で設定する必要がある。
・2018年時点で1G以上のNWを構成しようとするとコストが高くなりやすい。
・自作PCと違って、HDDや取り換え可能なメモリ以外は自分で修理できず、メーカー修理が前提になる。

■NASを構成する要素
基本的にはパソコンと同じです。
・CPU:IntelやAMD以外にも組み込み用のCPUがあります。
・MEM:一般的なメモリが搭載されています。
・ディスク:一般的なSATAのHDDやSSDなどが搭載されています。
・電源:1個だけのモデルや冗長化されているモデルがあります。
・MB:一般的なPCとは異なる独自の省スペースなマザーボードが搭載されています。
・NIC:IntelのNICなどのネットワークカードが搭載されています。
   
■NASを検討する際に考慮する事項
以下の項目について検討する必要があります。
・容量:いまどのくらいほしいか。最終的にはどのくらいまで拡張する必要があるのか
・性能:NASの読み書きの性能はどの程度か
・ネットワークインターフェイス:1Gが何個か、10Gが何個か
・拡張性:ディスクの搭載数。ディスクの容量。拡張ユニットを対応可否
・信頼性:どのRAIDを利用するかを検討します。
・消費電力:NASは基本常時起動しているものなので、電気代についても考慮が必要です。
・コスト:いくらまで予算があるか

■各考慮事項に対する補足
・容量:いまどのくらいほしいか。最終的にはどのくらいまで拡張する必要があるのか
        現行のデータ量から、増加部分をスケールさせていくなど検討します。
       
■性能
性能については、二つの要素で考慮する必要があります。
・ネットワークカード
ネットワークを介してアクセスするため、ネットワークカードの性能がボトルネックになるケースがあります。
    例1:500MBの読み書き可能なSSDを搭載して、1000BASE-TのNASを利用したが、1人でアクセスして120MBでしか読み書きが
        できない。
        1000BASE-Tは1Gbitのため、MBにすると120MBになります。
        そのため100MB以上の読み書きを求める場合、原則として、10Gのネットワークカードの性能が必要になります。
        ただし、10Gのネットワークカードを搭載しても、ディスクの性能が低い場合、性能を発揮できません。
    例2:120MBの読み書き可能なHDDを搭載して、1000BASE-Tを1本搭載したNASを利用したが、
        2人でアクセスすると1人あたり60MBでしか読み書きできない。
        ネットワークカード一つでは複数のアクセスをさばききれない場合、複数のネットワークカードを一つに束ねて、
        より大量のアクセスを可能にします。
        この技術をリンクアグリゲーション(別記事で説明)と呼びます。

・ディスク(HDD・SSD)
    実際に読み書きするのは、ディスク(HDD・SSD)になります。
    1本あたりのディスク(HDD・SSD)では、性能、可用性、容量に限界があるため、ディスク(HDD・SSD)を一つに束ねて、
    より大きな仮想的なディスクを構成します。
    この技術をRAID(後述)と呼びます。
    例1:1本あたり120MBの読み書き可能なHDDを10本束ねて、1200MBの読み書き可能なディスクを作成します。
    例2:1本あたり1TBの容量をもつHDDを10本束ねて、10TBの容量を持つディスクを作成します。

■拡張性
ディスクの搭載数。拡張ユニット、最大容量の対応可否
    NASを利用していると、基本的には保存しているデータは増加していきます。
    現在構成している容量を超過しそうな時に、そもそも拡張可能なのか、起動したまま拡張できるのか。
    どうやって拡張するのか、どこまで拡張できるのかを確認しておく必要があります。
    ・NASのディスク搭載数:NASの筐体に搭載可能なディスクの数を指します。一般的にこの搭載可能なディスク数をベイと
     記載されます。
    ・拡張ユニット:NASの筐体に接続して搭載可能なディスクを増量します。この拡張ユニット単品では動作しません。
     必ず、NAS筐体に接続して利用する必要があります。
     最大容量:それぞれの製品で、構成可能なディスクの数、最大の容量サイズなどの構成の上限があります。

■信頼性
どのRAIDを利用するかを検討します。
ディスク(HDD・SSD)を複数本束ねて仮想的なディスクを構成することをRAIDと言います。
ディスク単品では、信頼性が低いので、複数台利用することにより、信頼性を高めることを目的としています。
RAIDの構成する種類がいくつかあります。
この項では、RAID-0・1・5・6を簡単に説明します。
基本的にはRAID-6で構成することを推奨します。
理由は、リビルド時にトラブルが発生すると、データロストするリスクがあるためです。
RAID-0:(ストライピング)
データを複数台のディスクに同時に分散して読み書きする方式
この方式は、構成するディスクが1本でも破損すると、全損してしまうため、
信頼性を犠牲にしてでも、性能が欲しい場合以外は利用すべきではありません。
RAID-1:(ミラーリング)
データを複数台のディスクに同時に同じ内容を書き込みます。
この方式は、安定度は高いものの容量の効率が悪い。
RAID-5:(分散パリティ)
複数台のHDDデータから計算されたパリティというデータ補正する仕組みを別のHDDに保存します。
容量効率はn本-1になります。
RAID-6:(デュアル分散パリティ)
機能としては、ほぼRAID-5と同じですが、RAID-5はパリティが1つに対し、
RAID-6はパリティが2つになります。
容量効率は、n-2になります。
                               

■消費電力
NASは基本常時起動しているものなので、電気代についても考慮が必要です。

■コスト
いくらまで予算があるか

■NASを選定するときの想定ケース
・とはいってもなんだからわからないから、まず試したい。
 1ベイ・2ベイのローエンドモデルを試しにやってみる。
・ちょっとやってみる
 4ベイまでのモデル
・本格的つかってみる
 4ベイ以上のモデル
・ヘビィに使ってみる。
 ラックマウント系のモデル。

■もうちょっとコストかけずに試してみたい
    ディスクの構成ができるわけではないですが、GUIの操作や機能の確認などが、
    無償でできます。
   
    ・QNAP Online DEMO
    https://www.qnap.com/en/live-demo/
   
    ・Synology live DEMO
    https://demo.synology.com/ja-jp
   
    ・Live Demo - Asustor
    https://www.asustor.com/ja/live_demo
   
    ・ReadyNAS OS6 - 管理画面シミュレーター
    https://www.netgear.jp/support/info/readynas/readynas_simulator_OS6.html

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